介護にいくらかかる?月額の目安と知っておきたい自己負担軽減の制度

「介護って、結局いくらかかるんですか?」

家族からよく聞かれる質問の中で、答えが一番ぼやけがちなのがお金の話です。「人それぞれです」「ピンキリです」で終わらせる記事も多いのですが、それでは家計の見通しが立ちません。

私は理学療法士・社会福祉士として、介護保険の現場で18年働いてきました。いまは施設の相談員として、家族からお金の相談を毎日受けています。今日はその経験から、お金の話を具体的な数字で書きます。

結論からお伝えします。在宅介護は月3〜10万円、施設は月10〜30万円——これがおおよその目安です。

そして、家族の多くが知らない自己負担を軽くする制度が4つあります。これを使えば、表面の金額からさらに減らせます。

今日はこの月額の目安と、軽減制度を整理します。最後に「家族が今夜ひとつだけやっておくと得すること」も置いておきます(記事内の金額・制度は現行制度を前提にしています)。

目次

介護費用は「在宅か施設か」で大きく変わる

まず月額の目安です。

在宅介護(自宅で訪問・通所サービスを使う場合)

介護保険サービスを使うときの自己負担は1〜3割です(所得で異なる)1割負担の方を前提に、要介護度別の月額目安を出すとこうなります。

要介護度月額の目安(自己負担1割)
要支援1〜2月1〜3万円
要介護1〜2月3〜5万円
要介護3月5〜7万円
要介護4〜5月7〜10万円

これは介護保険の限度額いっぱいまで使った場合の目安です。実際は限度額の60〜70%程度しか使わない家族が多いので、もう少し抑えられます。

ここに加えて、自費の費用(おむつ代、自宅の食費、福祉用具の購入など)が月1〜2万円くらいかかります。

施設介護(月額目安)

施設は、家賃・食費・介護保険サービス費・日常生活費を合わせた月額になります。

施設タイプ月額の目安
特別養護老人ホーム(特養)月10〜15万円
介護老人保健施設(老健)月10〜15万円
グループホーム月12〜18万円
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)月10〜25万円
有料老人ホーム月15〜30万円(立地・グレードで上下)

「えっ、有料老人ホームってこんなに高いの?」と驚かれることが多いのですが、これが現実の数字です。だからこそ、次の章の軽減制度を知っているかどうかで、家計の安心感が大きく変わります。

知っておきたい、4つの軽減制度

ここからが、家族の多くが知らないけど絶対に押さえておきたい話です。

① 高額介護サービス費(一番大事)

月の自己負担額が一定額を超えると、超えた分が払い戻されます

  • 一般所得世帯:月の上限44,400円
  • 住民税非課税世帯:月の上限15,000〜24,600円

つまり、要介護5でフル利用しても、一般世帯は月44,400円までで済むということです。これだけで、月3〜5万円の差が出ます。

② 負担限度額認定(施設利用時)

施設での食費と居住費を軽減する制度です。住民税非課税世帯が対象。

申請して認定されると、特養の食費・居住費が1日あたり数千円安くなります。月にすると4〜6万円の差になることも珍しくありません。

③ 高額医療・高額介護合算療養費

1年間の医療費+介護費の合計が一定額を超えると、超えた分が戻ってきます。介護と医療の両方を使っている家族は、必ず確認したい制度です。

④ 医療費控除

介護保険サービスの一部や、おむつ代、訪問看護費などは医療費控除の対象です。確定申告で、年間数万円戻ってくることがあります。

ある家族の話

施設の相談員として家族から相談を受けたなかで、こんなケースがありました。

Eさん(仮名)の80代のお母さまは、要介護4で在宅介護、月の利用は限度額いっぱい。
最初、Eさんは「月10万円もかかるなんて、家計が持たない」と肩を落として相談に来られました。
私はその場で電卓を叩いて言いました。
高額介護サービス費を使えば、自己負担は月44,400円までで済みます。あと、介護用品の領収書を取っておけば、医療費控除で年間2〜3万円戻ってきますよ」
Eさんはぽかんとしていました。「そんな制度、一度も聞いたことがなくて……」

これは現場でよくある話です。軽減制度はこちらから声をかけないと、家族には届かない。だから、こうして文字にしています。

ポケットに入れて帰っていただきたい、ひとつだけ

最後に、今夜あなたのポケットに入れて帰っていただきたいひとつだけ、お渡しします。

介護費用の表面の金額は、軽減制度を使えば下げられる。 まずは**「高額介護サービス費」**だけ覚えて帰ってください。

担当ケアマネに「高額介護サービス費は使えていますか?」と一言聞くだけで、月数万円の差が出ることがあります。自動で適用される自治体もあれば、申請が必要な自治体もあります。確認するだけで、家計の見え方が変わります。

このブログでは、こうした「家族が動くための具体的な手順」を、これからもひとつずつ書いていきます。

珈琲一杯分の時間、お付き合いいただきありがとうございました。

メガネ

出典・参考

※本記事の金額・制度内容は、執筆時点の現行制度を前提にしています。 最新の数値・要件は各公式サイトで必ずご確認ください。

最終更新日:2026年5月

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この記事を書いた人

メガネのアバター メガネ 理学療法士、社会福祉士、ケアマネ

PT(理学療法士)×社会福祉士×ケアマネジャーの三刀流。
介護の現場で感じたことを珈琲一杯分ずつ率直に届けます。
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