はじめに
「まさかうちの親が…」
そう思っていても、介護はある日突然やってきます。
救急車を呼んだあの日、病院から「そろそろ介護が必要です」と言われたあの瞬間。頭が真っ白になって、何から手をつければいいかわからなくなる方がほとんどです。
私はPT(理学療法士)と社会福祉士として長年現場で働いてきましたが、こんな場面を何度も見てきました。
「知っていれば、もっと早く動けたのに」
そう後悔しないために、今日は介護が始まったときに最初にやること3つをお伝えします。ポケットに入れておいてください。
① まずはかかりつけ医に連絡する
最初にやることは、かかりつけ医への連絡です。
「病院はもう行っている」という方も多いと思います。でもここで大事なのは、「介護が必要な状態になった」ということを、かかりつけ医にしっかり伝えることです。
なぜかというと、この後に必要になる介護保険の申請や、ケアマネジャーへの相談、サービスの利用など、すべての手続きに「医師の意見」が関わってくるからです。
現場でよくあるのが、家族だけで抱え込んでしまって、かかりつけ医に状況が伝わっていないケースです。転んで骨折したことも、最近食事が食べられていないことも、医師に伝わっていないと適切なサポートにつながりません。
伝えるポイントはこの3つです。
- 最近どんな変化があったか
- 日常生活でどんなことが難しくなったか
- 家族としてどんなことが心配か
難しく考えなくて大丈夫です。「最近転びやすくなって心配です」という一言でも十分伝わります。
② 相談窓口を知っておく
かかりつけ医に連絡したら、次は適切な窓口に相談することが大切です。
実は相談窓口は状況によって違います。ここを間違えると「たらい回し」になりやすいので整理しておきます。
入院中のとき → MSW(医療ソーシャルワーカー)
親が今入院しているなら、まず**病院のMSW(医療ソーシャルワーカー)**に相談してください。
MSWは病院の中にいる福祉の専門職で、退院後の生活をどう整えるか一緒に考えてくれます。「退院後が不安」「自宅に帰れるか心配」という悩みはまずMSWへ。
ケアマネジャーと間違えやすいですが、MSWは病院の中の相談員です。
施設への入所を考えているとき → 施設ケアマネ
老健(介護老人保健施設)などの施設に入所する場合は、施設の中に施設ケアマネジャーがいます。施設内のサービス調整はこの方が担当します。
自宅で介護するとき → 地域包括支援センター → 在宅ケアマネ
親を自宅で介護する場合は、地域包括支援センターが最初の窓口です。
地域包括支援センターとは介護のことを何でも相談できる地域の無料窓口で、全国どこにでもあります。ここに相談すると在宅のケアマネジャーを紹介してもらえます。
在宅ケアマネジャーは自宅での生活をサポートするプランを作る専門職です。施設ケアマネやMSWとは役割が違います。
整理するとこうなります
| 状況 | 相談先 |
|---|---|
| 入院中 | MSW(病院の相談員) |
| 施設入所中・検討中 | 施設ケアマネ |
| 自宅で介護したい | 地域包括支援センター → 在宅ケアマネ |
お住まいの市区町村名と「地域包括支援センター」で検索すると、すぐに見つかります。
③ 介護保険の申請をする
相談窓口に連絡したら、介護保険の申請を進めましょう。
介護保険とは、40歳以上の方が加入している保険で、介護が必要になったときにサービスを安く使える制度です。申請して認定を受けることで、訪問介護やデイサービス、福祉用具のレンタルなどが1〜3割の自己負担で利用できるようになります。
申請から認定までは約1〜2ヶ月かかります。だから「まだ早いかな」と思ったときに動くのが正解です。
申請に必要なものは主にこの3つです。
- 介護保険被保険者証(65歳以上の方に送られてくる緑色の保険証)
- 本人確認書類
- かかりつけ医の情報
申請は地域包括支援センターか、市区町村の窓口でできます。先ほど相談した地域包括支援センターでそのまま手続きを進めてもらえることも多いです。
まとめ
介護が突然始まったとき、最初にやること3つをまとめます。
- かかりつけ医に状況を伝える
- 状況に合った相談窓口に連絡する
- 介護保険の申請をする
この3つを知っているだけで、最初の一歩がずいぶん楽になります。
介護は長い道のりです。一人で抱え込まず、使えるサポートをポケットに入れながら、一歩ずつ進んでいきましょう。
何かわからないことがあれば、またこのブログで一緒に考えていきましょう。珈琲を一杯淹れながら、ゆっくり読んでもらえると嬉しいです。

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